任天堂は6月23日に行われた定時株主総会で、昨年秋に行われた株式分割での任天堂の株主が急増し、23年3月末時点で約18万7000人に上ることに言及しました。
『株式分割』とは
個人の投資家が身近な企業から株式投資を始めるというパターンは少なくないと思います。
例えば普段使うコンビニ、銀行、スーパーマーケットなどの株式は、業容などが分かりやすく投資しやすいという方もいるでしょう。
他に好きな製品を出している企業に投資を検討される人もいると思います。
ゲームが好きな人にとっては、Nintendo Switchやスーパーマリオ、ゼルダの伝説等で有名な任天堂の株を持っておきたいという人も少なくないと思います。
しかし、任天堂の株価は終値で6万円程度、購入する1単元は100株となるので1単元当たり約600万円とかなりハードルの高い投資となっていました。
そこで、今回導入されていた株主分割です。
1株につき10株に株式分割されることにより、1株当たりの株価が10分の1となります。
そうすると今まで600万円かかっていた株が60万円程度で投資できることになります。
株式分割のデメリットやリスク
株式分割は、基本的に投資家に歓迎される施策ですが、企業にとってデメリットやリスクもあります。
例えば株主が増えるので、その対応等、管理のコストがあります。
業績と関係ないところで株価が上昇することが見込まれるため、投機目的、株価の上下でお金を儲けるために株を購入する投資家が増えることになります。
業績と関係ない株価の上下であっても、株価が下がればメディアに指摘されることもありますし、株主からも不満が出ることもあるかもしれません。
そういったゲームと関係ないところで注目を浴びるのはあまり好ましくないでしょう。
更に言えば、株式を分割することで株価が上昇することを意図し、分割を繰り返す企業もあります。
当然そういった企業は市場の信頼を失ってしまいます。
逆に言えば、信頼を損なわないために、安易に分割を繰り返すような頃はするべきではありません。
31年ぶりの株式分割で株主が約18万人に
株式などの金融商品の売却や配当によって得られた利益にかかる税金が免除されRう「小額投資非課税制度(NISA)」がありますが、一般NISAでは年間の購入金額制限が120万円までとなっています。
これを考えても、一回の取引金額が600万円から60万円になることの意味はとても大きいと言えるでしょう。
古川社長によると、分割前の22年3月末までの株主数は4万8329人でしたが、株式分割後に個人株主が急増し、23年3月末は18万7023人と4倍近くに増えたとし、分割が「投資家層の拡大に一定の効果があった」と述べました。
爽快では株主から、オリジナルの株主優待を望む声も出ましたが、古川社長は「法人も含め様々な株主がいるため、全ての株主に平等に利益を還元できる配当金がふさわしい」と述べるにとどめています。